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【眼科医が解説】コンタクトユーザーが行うべき花粉症対策とは
寒さが落ち着き、春の気配を感じ始める季節。暖かくなるとお出かけも楽しくなり、自然と心も踊りますが、花粉症の方にとっては辛いシーズンでもあります。
コンタクトユーザーで目のかゆみに悩まされる方の場合、コンタクトをつけたまま目を擦る行為は禁物。症状とうまく付き合いながら、眼の健康を保っていかなければなりません。
今回は、花粉症で目の症状に悩むコンタクトユーザーに向けて、症状を和らげる方法やコンタクトレンズの選び方などについて、眼科医の河内敏さんが語ります。
毎年目のかゆみに悩まされる花粉シーズンの到来
こんにちは、眼科医の河内敏です。
花粉症の症状は人それぞれで、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、鼻のかゆみ、皮膚のかゆみ、頭痛、咳などがありますが、なかでも多くの人が悩まされているのが「目のかゆみ」。
春のスギ花粉が舞い始める2月頃になると、毎年花粉症の患者さんが1日に何人も私の元に来られます。
我慢できずに目を擦ると、角膜を傷つけたり、細菌が入ってしまったりする原因になります。擦り過ぎると、角膜の下に水が溜まり、白目がゼリー状にふくれる結膜浮腫(けつまくふしゅ)という状態になることも。
他にも、コンタクトレンズをつけたまま目を擦った結果、目のなかでコンタクトが破けてしまい、取れなくなってしまったと相談に来られる方もいらっしゃいます。
コンタクトユーザーが花粉症の季節に行うべき5つの対策
花粉症のシーズンは毎年訪れますが、喉元過ぎれば熱さ忘れるというもので、その時期はなんとかやり過ごし、特別な対策をしていない人もいるかもしれません。
しかし、目を擦ることは結膜炎などの目の病気や、角膜に傷が付けば視力障害などの症状につながる場合もあります。
ここからは、花粉症で毎年目のかゆみに悩まされる方にオススメしたい、誰でも簡単にできる対策を5つご紹介します。
対策1:早めの時期から目薬の処方をはじめる
対策の1つ目は、症状が出る時期よりも少し早めに目薬の処方をはじめることです。例年だと、1月下旬〜2月上旬頃から眼科を訪れる患者さんが増加します。
去年までを振り返り、症状が出始める時期よりも1〜2週間くらい早めから点眼を開始してみましょう。
薬はかかりつけ医から処方されたもののなかでご自身に相性の良い抗アレルギー点眼液があればそれが一番良いですが、市販されている抗アレルギー点眼液を使用しても良いと思います。
早めに点眼をはじめることで、花粉が本格飛散するシーズンの症状が和らぐケースがあります。
※目薬は眼科医や薬剤師に相談のうえ、用量や用法を守ってお使いください。
対策2:コンタクトレンズは1dayを選ぶ
2つ目の対策は、1dayのコンタクトレンズを選ぶということです。
ソフトレンズは目のうるおいを保つために、網目のような特殊構造になっています。花粉が飛散するシーズンは、花粉がこの網目に入り込むことで、コンタクトユーザーはアレルギー反応が生じやすくなってしまいます。
そして、スギ花粉の粒子の大きさは30~40μmと言われています。これは髪の毛の直径よりも小さく、目に見えない大きさのため、一度コンタクトレンズのなかに入り込んでしまうと洗っても取り除くことはできません。そのため、2weekのコンタクトレンズを使ってしまうと、毎日レンズに花粉の粒子が溜まり、症状が悪化してしまう場合があるのです。
2weekに比べて少しコストはかかりますが、花粉症のシーズンは1dayを使い捨てで使用することをおすすめします。
ちなみに、ハードレンズは固いプラスチック素材でできていて、レンズ内に花粉が入り込んでしまうことがありません。表面に花粉もつきにくく、洗えば花粉の細かな粒子を落とすことができます。患者さんにはハードレンズを提案することもありますが、「つけたことがないし装用感が悪いと聞くので抵抗がある」と言う方がほとんど。
そんな方は、ソフトレンズのなかでも「非イオン性素材」の商品を試してみるといいかもしれません。非イオン性素材は汚れが付着しにくく、長時間の装用でもすっきりとした視界を維持できます。
WAVEワンデー エアスリム plus 30枚入り
¥1,680 (税込)
WAVEワンデーエアスリム plusは、長時間の装用を考えたバランス型の低含水コンタクトレンズです。
汚れが付きにくい非イオン性素材を採用しているため、汚れが付着しにくく長時間の装用の場合でもすっきりとした視界を維持できます。
対策3:装着液を使用する
3つ目の対策として、装着液を使うことです。装着液とは、点眼薬とは異なり、コンタクトレンズを着ける際、レンズの内側に直接液を落として使うもの。うるおい成分が含まれているので、着け心地が良くなり、くもりや汚れの付着を予防する効果が期待できます。
いつでも使えるものですが、花粉症の季節に一度試してみてはいかがでしょうか。レンズと瞼の裏との摩擦が軽減されてゴロゴロ感やかゆみが緩和するかもしれません。
対策4:目を冷やす
どんな対策をしても、目のかゆみが辛いときは、目を冷やすのがおすすめです。保冷剤をタオルで包んでまぶたに優しく当てると、かゆみや炎症が抑えられます。
保冷剤なら、例えば職場の冷凍庫にいくつかストックしておけば、仕事の合間でも使えて便利です。この方法は非常に効果的ですが、長時間冷やし続けることもできないので、症状が強いときの非常手段と考えてください。
また、水道水で目を洗う人もいますが、水道水に含まれる塩素により炎症が悪化してしまう可能性があったり、涙液層が洗い流されてしまうことで、眼球と瞼の裏との摩擦が強くなり炎症が悪化したりすることもあるので避けた方がいいでしょう。
対策5:メガネも併用する
最後に紹介する対策は、メガネも併用すること。花粉症のシーズンはコンタクトレンズをつける時間を短くして、メガネをかけることで、ケアがしやすくなり、目の負担や症状を軽減できます。
オフィスや外出先ではコンタクトレンズをつけたいという方は、リモートワークのときはメガネで過ごしたり、外出から帰宅したらすぐにメガネに切り替えたりと、コンタクトレンズとの快適な距離感を考えてみてはいかがでしょうか。
花粉症シーズンはコンタクトレンズとの付き合い方を考えるチャンス
今回は誰でも簡単にできるコンタクトユーザーの花粉症対策をご紹介しました。
しかし、アレルギー反応の出方や症状の重さは人によって異なります。まずは一度、眼科医に相談して適切な診断を受けることをおすすめします。
また、花粉症のシーズンに限らず、日頃から自分に合うコンタクト選びについて考えている人も少なくないでしょう。これを機に、自分と相性の良いコンタクトレンズをもう一度探してみるのもいいかもしれません。
WAVEワンデー エアスリム plusは、非イオン性素材を採用したレンズで、汚れが付着しにくく、長時間着ける場合でもすっきりとした視界を維持できます。ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。
WAVEワンデー エアスリム plus 30枚入り
¥1,680 (税込)
WAVEワンデーエアスリム plusは、長時間の装用を考えたバランス型の低含水コンタクトレンズです。
汚れが付きにくい非イオン性素材を採用しているため、汚れが付着しにくく長時間の装用の場合でもすっきりとした視界を維持できます。
眼科医 河内敏(かわち さとし)
眼科医歴20年以上
現在はWAVE専属眼科医として、実店舗「レンズアップル 千葉店」に併設されている「ふくろうアイクリニック」の院長を務めながら、製品やアプリ開発の監修やコンテンツの企画にも携わっている
学歴:平成11年3月 日本大学医学部 卒業
職歴:日本大学医学部附属板橋病院
横須賀市立市民病院
太田眼科クリニック