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見えるLAB

NBAダンサーに挑戦!プロチアリーダー鈴木実優が見つめる新たな景色

PEOPLE 2024.08.03

NBAダンサーに挑戦!プロチアリーダー鈴木実優が見つめる新たな景色

千葉県船橋市をホームタウンとするB.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」の戦いを盛り上げる専属のチアパフォーマンスチーム「STAR JETS」。

そこでプロチアリーダーとして活躍してきた鈴木実優さんは、6年間の活動に終止符を打ち、NBAダンサーへの挑戦をはじめました。

彼女のこれまでを振り返りながら、新たな夢に向けた現在に迫ります。

チームを鼓舞し、ブースターの心を一つに。スポーツチアの魅力

ーー実優さんはいつからチアダンスを始めたんですか?

大学からです。高校を卒業して大学のオープンキャンパスで部活を選ぶとき、チアダンス部のパフォーマンスを見て一瞬で心を奪われました。

小学一年生の頃から高校三年まではクラシックバレエをやっていて、踊ることはずっと好きでした。ただ、バレエは型を忠実に守り、孤独に芸術性を追求していく舞踊です。同じダンスでもそれとはまったく異なり、一人ひとりが個性を表現しながら、協調性と思いやりをもってチーム一丸となるチアの熱量にとても感動したのを、今でも昨日のことのように覚えています。

ーー大学でチアダンスを始めて、そのまま卒業後は「STAR JETS」に加入したのですよね。

はい、プロスポーツのチアチームでダンスを続けたいと思い、野球やフットボールなど、さまざまなチームの試合を実際に観に行きました。そのなかでも、千葉ジェッツの試合とともにSTAR JETSのパフォーマンスを目の当たりにして、衝撃を受けたんです。

ハーフタイムに入るとコートがライティングで彩られて音楽が流れ、体育館全体が熱狂する…それをリードするのがSTAR JETSのチアダンスでした。当時、今よりもB.LEAGUEの知名度が低いなかで、日本でこんなにスポーツエンターテインメントを本気でやるチームがあるんだと初めて知りました。「絶対にSTAR JETSに入りたい」という強い思いでテストを受け、無事に加入したのが、今から6年前の2018年です。

ーー大学でやっていた競技チアと、プロリーグのスポーツチアとの違いはありましたか?

同じチアでも、ダンスに向き合う姿勢は全く違いましたね。大学の競技チアでは、フォーメーションが揃っていることや、技が成功したことなど、一つひとつに点数がつき評価されていたので、試合で勝ち抜くためには確実に加点されるようにパフォーマンスの構成を綿密に組み立てる必要がありました。常に点数を意識しながら「調和を乱すこと」や「間違ったこと」はしてはいけないという緊張感があったと思います。

一方、スポーツチアは誰かに採点されて競い合うものではなく、チームを鼓舞し、ブースターの皆さんの心を一つにするためのもの。ダンサー一人ひとりがそのリーダーとして、感情やチームスピリットを全身で表現していきます。制限するのではなく、自分自身を解き放つ高揚感はスポーツチア特有でした。

バスケのルールを覚えるところからのスタート。踊るだけがチアリーダーの仕事ではなかった

ーーSTAR JETSでチアリーダーとして6年間活動するなかで、大変なことはありましたか?

スポーツチアのチアリーダーは、踊るだけが仕事ではありません。試合が始まる前、ブースターに対して掛け声や手拍子をレクチャーしたり、試合が始まってからはMCでそれをリードしたりするのも重要な役割です。

もともと人前で喋ることはあまり得意ではなかったので、最初の頃は緊張して支離滅裂なことを言ってしまったり、表現がカジュアルになり過ぎたり、なかなかうまくいきませんでした。テレビのニュースをよく観るようになり、アナウンサーの言葉選びを研究して、自分なりの正解を探していきました。

それに、試合中はオフェンスのときとディフェンスのとき、優勢のときと劣勢のときなど、状況に応じてブースターの先導の仕方は異なります。1年目のルーキーの頃はバスケのルールがよくわかっていなかったので、目まぐるしく変わり続ける試合展開のなかでうまくリードができず、かなり苦戦していました。そのため、試合後は必ずアーカイブ映像を観て振り返ったり、NBAなどの他の試合も観たりしてルールを覚え、3年かけてようやくうまくリードできるようになっていきました。

自分を信じ、メンバーを信じ、チームとともに成長した6年間

ーー実優さんがチアリーダーとしてSTAR JETSで活動してきた6年間のなかで、最も記憶に残っている景色はありますか?

STAR JETSに加入してルーキーで初めてコートに立ったときの景色は今でも鮮明に覚えています。眩しい照明に照らされながら約5,000人のブースターの前でパフォーマンスをしました。近くの仲間とアイコンタクトを交わし、お互いの意思を確かめながら位置に着きました。チームに加入してから初パフォーマンスまで、3ヶ月間の厳しい練習が走馬灯のように頭に浮かびましたね。直前まではすごく緊張していましたが、本番では存分に楽しむことができました。

ーーその後もコートに立つたびにチームの結束力を強くしていったのですね。

そうですね。特に同期の4人は実力者揃いなので、お互い切磋琢磨しながら高め合っていくとても良い関係性でした。OGの方々はチアリーダーとしてだけでなく、1人の女性としても魅力的な方ばかりです。そんな憧れの先輩と一緒にコートに立てることも大きなモチベーションになりました。

幸い、千葉ジェッツは強いチームなので、大きい舞台に連れていってもらい、そのたびにチームの仲間と刺激をもらいながら一緒にステップアップしていった感覚があります。初めてリーグ優勝をしたときの喜びは今でも忘れられません。

「次の夢を見てみたい」NBAダンサーへの挑戦

ーー実優さんがNBAダンサーを志したきっかけを教えてください。

千葉ジェッツでSTAR JETSのメンバーとして踊り続けるためには、毎年オーディションを受け直し、クリアする必要があります。4年目のオーディションのとき、審査員の方から「さらに上を目指すという選択肢はないのか」と質問されたことがひとつのきっかけになりました。

それまではSTAR JETSでやり切ってチアを辞めようと思っていたので、その質問がきたときにハッとさせられたんです。これ以上、上の挑戦があるんだと。それから少しずつ、NBAのコートに立つという夢が自分のなかで大きくなり始め、5年で準備を整え、6年目で実行に移しました。

ーー実際に渡米して現地でオーディションを受け、現地ダンサーとの交流を経て感じたことは?

まず、オーディションが時間通りに始まることはなく、必ず遅れて始まるというところで国の文化の違いを感じますね(笑)そして、現地のダンサーはダンスのテクニックも表現力もパッションも桁違いで、本当に勉強になります。そして何より、語学力の壁を痛感しています…。1年ほど前から日本で英語の勉強を始めましたが、やっぱり現地に来てしまうのが一番ですね。苦戦しながらも日々英語に触れて吸収しています。

ーーつい先日はゴールデンステイト ウォリアーズのファイナルオーディションに、実優さんを含む4名の日本人ダンサーが通過されましたね。おめでとうございます!

ありがとうございます!オーディションの結果発表では、日本人ダンサーのなかで私だけ番号が呼ばれず、「落ちた」と思いました。すると、他のダンサーの子が後で審査員に、自分の番号を呼ばなかったかを質問していたので、私も聞いてみたところ「111番?…呼んだよ」と、聞き逃していただけで受かっていたんです。

勇気を出して聞きにいかなければ、私は今日本に帰ってきていたと思います。

ーー渡米して気付いた、実優さん自身の強みはありますか?

ダンスで人を惹きつける「表現力」は誰にも負けない…負けたくないと思っています。どれだけダンスがうまくても、感情が伴っていないと人の心は掴めません。STAR JETSのメンバーとして踊ってきた誇りを胸に、これからも挑戦を続けていきます。

チアリーディングの魅力を多くの人に伝えたい

ーー最後に、実優さんの今の想いや、これからの夢を教えてください。

STAR JETSでは、ブースターの皆さんと一緒にチームを応援する立場でしたが、今はNBAダンサーに挑戦しながら、SNSのコメントなどを通していろいろな方が応援してくださることが本当に嬉しく、私の強みになっています。本当に感謝しかありません。

そんなみなさんに向けて、まずは嬉しい結果を持って帰ることが今一番近くにある夢です。そして、その先でお世話になった千葉ジェッツやSTAR JETSに恩返しをしたいです。

また、B.LEAGUEの認知度向上のために貢献していきたい。そして、これからはチアダンスで世界に羽ばたこうとする子どもたちも増えていくかもしれないので、そこで自分の経験を伝えていければと思います。

Just Be「世界をミテイル実優さんを応援しよう!」

WAVEは見えるを通して「世界をミテイル人」を応援するプログラムとしてプロチアリーダー鈴木実優さんをサポートしていきます。

彼女が目標とする「NBAダンサー」。夢に向かって次のステップを歩み始めた彼女を応援するだけでなく、実優さんがありのまま(Just Be.)チャレンジする姿をお届けします。

応援グッズとして、プルオーバーパーカーやビッグシルエットTシャツ、刺繍キャップ、フェイスタオル、ステッカーの5点をラインナップ。売り上げは、鈴木実優さんのサポート費用とさせていただきます。

みんなで鈴木実優さんの挑戦を応援しましょう!

https://wavecontact.jp/campaign/miyu-justbe/

鈴木実優

鈴木実優

出身地:東京都
趣味:スポーツ観戦、アニメ、海、銭湯
特技:一回で会った人の顔を記憶すること
好きな食べ物:焼肉、お寿司、もんじゃ

Staff Credit

Text: Shingo Shimojo